「光と風と蒼天と」の黒光さんより頂きましたヴィヴィはやssです!
「私のこと、嫌い?」
若干潤んだオッドアイが水色の瞳だけを見つめている。
「そんなわけ…」
「じゃあどうして?」
ないと言おうとして言葉を遮られた。
だがその疑問には答えられない。
嫌いではない。
では好きなのかと問われれば、好きだと即答できる。
ましてや、金髪の少女と栗色の髪の女性。彼女達の思う好きは本質的に同じである。
いつからだろう。
彼女が私のもとによく顔を出すようになったのは。
六課が解散してから、というのは間違いない。
きっかけは無数にあったからどれが決定的だったのかはわからない。或いはそれら総てか。
何せ出張や長期任務の度に家に来て寝泊まりしていたのだから。
しかし、困ったことになった。
「よりにもよって、何でこの私なんよ…」
「はやてさん?どうかした?」
こちらの悩みなんて全く意に介しはしない。
いつだって全力全開。
血の繋がりなんて関係ない。
まさにあのエースオブエースの娘である。
出会ったときには既に、なのはの隣にはフェイトがいた。
もしなのはの隣にいるのがフェイトでなかったら。
もしフェイトより先になのはに出会っていたら。
そう考えたのは一度や二度ではない。
そんななのはの娘。
私が嫌いになろうはずがない。
寧ろあちらから並々ならぬ好意を向けてきてくれるこの状況。嬉しくないはずがない。
しかし…
「ヴィヴィオ、やっぱりあかん。もうこれっきりにしよう。」
「はやてさんはヴィヴィオのこと嫌い?」
「そやから…」
「まだ理由を聞いてないよ。」
また遮られてしまった。
見つめる目は真剣そのもの。
決意の光を宿したこの目に私は弱い。
「ヴィヴィオと私じゃ年が離れすぎ…」
「愛があれば年なんて関係ないよ。はやてさんはそれがわかってる人だよね?」
絞り出した問いにもヴィヴィオは笑顔で返した。
「つ、釣り合いがとれてないんよ。」
「身長なら私が上。階級なら私が下だけど、
なのはママとフェイトママの娘として現在管理局でも活躍中。
魔力ランクはS+、既に解決済みの事件は大小合わせて50件を越えました。
何かご不満ですか?」
「…」
全てが事実だけに何も言い返せなかった。
「女同士っちゅうんはやっぱり…」
「なのはママとフェイトママの仲を応援していたはやてさんがそれを言える?」
「え…えっと、ほらうち家族多いやんか?」
「尚更、1人位家族が増えても大丈夫ってことだよね?
というか子供も欲しいから増えるのは1人じゃ済まなくなるけど、
ベビーシッターには困らないね♪」
完敗だった。私の提案は悉く却下された。
じわりじわりと退路を絶たれていく感覚。
それはさながら戦闘における教導官か、或いは犯罪者を追い詰める執務官のようだった。
「他に何かある?」
満面の笑顔で返されてしまった。
「う、あ…ありません…」
それだけ言うのが精一杯だった。
「じゃあ、問題ないね♪」
「ただ…」
「ただ?」
私は今までで一番真剣に言った。
「うちの5人はええねん。けど…あの2人が素直に許すとは思われへんねん。」
なのははまだいい。ちゃんと「お話し」すれば…希望はある。
「お話し」の内容によっては骨の1本や2本は覚悟しないといけないかもしれないが。
問題はフェイトだ。
あの管理局一親バカで、子離れできないことで有名なフェイトがすんなり許すとは思えない。
ヴィヴィオに関しても親バカスキルは遺憾なく発揮されるが、
なにせ娘の恋人が親友だなんて状況だ。
普通の恋人、いやたとえ同姓であったとしても、
それがヴィヴィオの認めた人ならば多少のいざこざはあるにせよ、
最終的にはフェイトが折れるだろう。
だがしかし、小学生時代からなのはに近付く人間の末路を、
親友というポジションから見て来たはやてにとって、
それは避けたいとしか言いようがない。
しかも、フェイトは私に対しては一切手加減しない。
なのはに冗談のつもりで手を出したことは何度もあったが、
そのいずれも平和に解決したためしはなかったのだ。
「…はやてさん。私ははやてさんが好き。
一人の人間として好き。私の大切な人です。
これから先、一緒に歩んでくれませんか?」
「な!ヴィヴィオ、それって…」
「うん♪プロポーズだよ♪はやてさん、返事は?」
ヴィヴィオは真剣だった。これ以上なく真剣だった。
だから覚悟を決めた。
後のことは後で考えることにした。
「私もヴィヴィオが好きや。でもな、私の家族も同じくらい大切なんや。
そやから、私の家族になってもらえませんか?」
「はい、喜んで♪これから宜しくね。は・や・て」
「あー。ついに言ってしもうた。」
「うん、やっと言ってくれたね。はやて。」
「ヴィヴィオがいけないんよ。私をその気にさせてまうから…」
「大丈夫。責任は私がとるから。たとえなのはママとフェイトママが襲ってきても、
世界の全てを敵に回しても、私が絶対守るから!」
「うん。頼りにしとるからな。」
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次回予告
やはり襲ってきた金色の死神!
白い悪魔は傍観を決め、母と娘の死闘が始まる!
「へぇー。この程度で誰かを守るだなんて、10年早いよ。」
「私は負けない!勝って未来を手に入れる!」
「どっちもがんばって♪」
そして…
「なんでなんや!なんでこんな…」
「人には戦わないといけないときがあるって教わったですー!」
「よく言ったぜ!いくぞ、ユニゾン・イン!」
続きませんw
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あとがき
このたび、リクエストを受けまして、SS1本寄贈させていただきました黒光です。
ヴィヴィはやは書いたことなかったんですけど、なんとかまとまったかな?
と思っております。ヴィヴィオ15才位をイメージしてます。また本編やvividとは
大分設定等異なると思いますがご容赦下さい。
それでは。
黒光
<脇田の感想という名の叫び>
ぶっへえええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!
攻め攻めヴィヴィーいいですよね!ヴィヴィーは攻めのイメージがあるのです。大きくなったらなのはままもたじたじですね!わかります!
ちょっと押されぎみなはやても大好物です!普段は強気なはやても、ヴィヴィーには強く出られないとか萌えますよね!このあとフェイトさんVSヴィヴィオの親子対決が…!想像できない!(笑)でもそれはそれで燃える…!!
黒光さん!実に美味しいssありがとうございましたーーーーーーーーーーーー!!
感想&コメントは「光と風と蒼天と」様まで!ばしばしパッションをぶつけてしまえばいいと思います!